最高裁判所第一小法廷 昭和24年(オ)109号 判決 1952年11月20日
主文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理由
上告人両名上告理由について。
民訴二二五条に定めている書面の真否を確定するための確認の訴は、書面の成立が真正であるか、否か、換言すればある書面がその作成者と主張せられるものにより作成せられたものであるか或はその作成名義を偽わられて作成せられたものであるか、すなわち偽造又は変造であるかを確定する訴訟であるから、本件のように書面の記載内容が実質的に客観的事実に合致するか否かを確定する確認の訴は、同条において許されていない。また、一般に確認の訴は、特定の法律関係の確定を求めるものであるから、本件のように事実関係の確定を求める確認の訴は法律上認められていないのである。従つて、不適法として本訴を却下した原判決は正しく、論旨は採ることを得ない。
よつて民訴四〇一条。九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 真野毅 裁判官 斉藤悠輔 裁判官 岩松三郎)